労働時間は実労働時間によって算定するのが原則です。
しかし、1日の大半を事業場外で労働する場合や、労働時間の算定が困難な業務や、業務の遂行方法を従 業員自身の裁量にゆだねる必要がある業務など、これらの業務に係わる労働時間について通常の労働時間の算定は困難な場合があります。
これを、みなし労働時間制とよびます。
みなし労働時間制には次の3種類があります。
営業職などのように「労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難い」業務。
ただし、次にあげるような使用者の具体的な指揮・監督権が及んでいる場合には対象業務には当たりません。
次の2点を満たす必要があります。
労使協定で定め対象業務の労働時間が法定労働時間内であれば、労使協定の労働基準監督署への届出義務はありません。
しかし、法定労働時間を越えるのであれば届け出なければいけません。
「業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し具体的な指示をすることが困難なものとして命令で定める業務」と定められています。
具体的には次のような業務が対象となります。
次の2点を満たす必要があります。
また、協定は労働基準監督署に届け出なければなりません。就業規則や労働契約に盛り込むことも必要です。
既に専門業型裁量労働制を導入している事業場においては、上記事項について労使協定で定めた上で、改めて労働基準監督署に届け出なければなりません。
「事業運営上の重要な決定が行われる事業場」において、「事業の運営に関する企画・立案・調査・分析の業務であって、業務の性質上その遂行方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段、時間配分の決定等に関し使用者が具体的指示をしないこととする業務」に「対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者」を就かせる場合に適用が可能となります。
次の2点を満たす必要があります。専門業務型裁量労働制に比べ厳格になっています。
※ 「労使委員会による委員の5分の4以上の多数による議決をしなければいけないこと」とは次のようなものがあります。
※ 制度の適用に当たっては、従業員本人の同意を得なければならず、同意しなかった場合にこれを理由に不利益な取扱いをしてはなりません。
社会保険労務士には、法律により守秘義務が課せられております。安心してご相談ください。